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鹿ケ谷散歩道 -紅花栄(べにばなさかえ)の侯-   中山和美2018.06

今日は会社の裏、哲学の道へ散歩に行きます。名前の通り谷の地形で坂が多く、裏に如意ヶ嶽、向かいは神楽岡、風光明媚な丘陵地ってやつです。変化に富んでいるので散歩コースも無限です。

紅花栄の候は植物がどんどん成長する時期で、このあたりも緑に覆われ新しい力がみなぎっていて元気になれますよ。

北側の坂を上っていきます。

まだ葉の柔らかい若いヒイラギ。

白い小さな花はテイカカズラ、良い香りがします。6月の花ガクアジサイは準備万端。

アジサイが見上げているのは赤いバラの髪飾りがかわいい糸杉(多分)。

もう疎水まで来ました。哲学の道です。

角の家の玄関先は植木鉢でいっぱい。中でもゴージャスなクジャクサボテンに目を奪われます。

しばらく哲学の道を歩きます。桜の時期は毎日まるでお祭り行列の様に人が溢れていますが、今頃は人通りもちらほら、気候も良く、こんな風に緑に包まれて歩いているとどこまでも行きたくなりますね。

鹿ケ谷の名前の由来をご存知ですか。平安時代の僧円珍(智証大師)がここを訪れた時に一頭の鹿が現れ道案内をしたという伝承があるそうです。当時から大きな集落があったそうです。

桜の木の何割かは赤いかわいいサクランボをいっぱい付けます。足下には楚々としたホタルブクロ。ドクダミもこんなに群れて咲くと可愛いですね。

 

疎水に架かる橋の上で自称ボランティアのおじさんに呼び止められました。自分で作った笹船に小さな野の花を載せてくれて、「橋の上から疎水にそっと落としてみて」と言うのです。殊更に断る理由も見つからないので言われた通りにすると、笹船は花を載せたままふわりと水面に降り、そのまま静かにゆっくり流れていきました。おじさんはそれを見て「上手く流れたね、実はこれは占いで、あんたの人生は笹船の様に先行きが良いよ」

信憑性は皆無やけど良いと言われたら悪い気はせえへんし・・、「おおきに」とお礼を言って橋を離れると、おじさんはすぐに外人の親子連れに「ボランティア、バンブーボート」と声を掛けていました。

人を幸せな気持ちにするおじさんに会ったところで今日の散歩は折り返し。

この疎水沿いのカフェ、店員がフランス人(多分)。観光客狙いの店ですが窓からの風景がとっても良いんです。写真うつり最高やし。

コーヒーを持って事務所へ戻ります。途中で出会ったナンテンの花(つぼみ)。実は真っ赤なのでちょっと意外です。

最後に少し遠回りしてもう一カ所。途中の公園の奥の植え込みにある木、赤いビニール製のブラシにしか見えない花が鈴なりに咲いています。

その名もブラシの木。

事務所へ戻って来ました。敷地の石垣の上にも植え込みがあります。植物にはちょっと過酷な環境ですが、今はそろそろ咲き出した薄ピンクのアジサイと息の長いサツキの花が咲いています。

昨年までは私の大好きなトケイソウが大きく育っていて、もう何年もこの石垣を葉で埋め尽くして、今頃は芸術的な花を次々咲かせて楽しませてくれていました。残念ながら今年急に枯れてしまい、石垣も淋しそうです。

今年は心のシャッターを切ってその姿を写し、記録に残します。

お疲れさま、今日はお付き合いありがとう。

また行きましょう。

中山和美